2007年9~12月<2007年9月~12月に読んだ本>お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人 ■著者:吉村葉子 ■講談社文庫 ■2007/1発行(文庫版) ※ハードカバーは2003/10 読んでて、「フランス人かも、私」と思いました。 特にブランド品に関する感覚とか (プレゼントされるなら喜んでもらうけど、自分では買わない。 もしくは、歴史と価値は認めるが自分は買わない。 さらに、バックがエルメスなら、それに相応しい服や靴が必要でしょ)。 あとね、フランスの小学校では教科書を使いまわすそうですよ。 それって正しいよね。 だって、1年使うだけじゃもったいないし。そうそう、内容が変わるもんでもないし。 その他、ものすごーく共感することがたくさんありました。 以前、アースセレブレーションの時期にあわせて、何年間か佐渡に通っていたのだけれど、 会場そばの素浜海岸にはものすごーくたくさんの外国人(主に欧米系)の方々がキャンプとか野宿とかしてたんですよ。 (この時期の佐渡ってホントに外国人比率が高くなります) でね、コンサートがない昼間とか、本読みながら砂浜でごろごろしてるわけ。 でね、コンサートが終わった夜は夜で、浜に座ってなんか楽しそうに語らってるわけ(歌ったりもしてた)。 なんか、お金かけずにすごく自然に楽しそうにしてるわけですよ、彼らは。 それ見て「この方々はホントにリゾート上手なのだなぁ」と思いました。 すべてにおいてフランスが正しい(もしくは素晴らしい)と言うつもりは全くないけれど、 見習うこととか、考え直すこととか、たくさんあるなーと思った。 著者の吉村葉子さん、 結婚しても愛を楽しむフランスの女たち結婚したら愛を忘れる日本の女たちなんつー本も出してるんですね。 ・・・なんか、フランス人の嫁さんをもらった元同僚が、 「もー、めんどくせーぞ!ことあるごとにハグしなくちゃなんねーんだから!!」 と弱音吐いてたのを思い出しちゃった(苦笑)。 「結婚はな!喜びを半分に、苦しみを倍にするもんなんだぞ!」とも言ってたなー。 そんな彼も今は3人目の妻(日本人)と幸せに暮らしているけれど。 「元気」をこの手に取り戻すまで ~心療内科で学んだこと~ ■著者:石井苗子 ■ダイヤモンド社 ■2007/8発行 心の傷を負った石井さんが、 40半ばにして医療を学ぶ道に救いを求めて新たな道を開拓した本、 と聞いて、読んでみました。 なんか、「まだまだ私、進路変更きくじゃん」、 みたいなことが感じられるといいかなって。 TVタックルなどでご活躍されていた石井苗子さん(だいぶ前の話だけど)、 不倫スキャンダルで大変な目に遭われてた時期があったんですね。 まったく知りませんでした。 この本は 1.そのスキャンダルがきっかけで 芸能界を追われた(細々とは仕事をし続けたようですが)石井さんが、 学問に救いを求め、聖路加看護大学、東京大学大学院の学びの果てに ヘルスコミュニケーターとして歩みはじめるまでの経緯 2.心療内科での研修での経験、実例を交えた 心身の病に対する偏見の払拭やメンタルクリニック整備等の「社会インフラ整備」の必要性と 体の辛さ・心の悩み等をプロフェッショナルに相談することの有用性の訴求 のふたつの要素が盛り込まれた本です。 なので、多少散漫な感じが否めないし、 「将来最大のソーシャル・サポート(社会的後ろ盾)になってくれるかもしれない東大」と言ってしまう感覚とか、 スキャンダルまみれになってた時代に友人が投げたひどい言葉がたくさん納めてあったりとか、 ちょっと個人的&心情的に受け入れられない感覚があったりもするんだけれど、 (それだけ率直に、正直に書いてあるとも言えるんだけど) 痛いほど気持ちが分かる気がする部分もあったり、共感するところも、感心するところもあったり。 第5章に出てくる聖書の中の 「求めよ、さらば与えられん(Ask,Seek,Knockで始まる言葉だそうです)」の解釈は印象的だった。 答えが出てくるまで、尋ねなさい。探そうとしなさい。探そうとする者にだけ発見がある。 扉は、たたく者にだけ開かれるのです。 すべての扉をたたきなさい。多くに救いを求めなさい。 石井さんが高校を卒業後に渡ったアメリカでお世話になった牧師さまもらった手紙からの引用です。 新しい気持ちになって人と接することを怠ってはならない、 人を愛することに怯えてはならない とも。 参考までに、ストレスコントロールの3つのメカニズムを。 1.自分のストレスが何から起こっているかを知っていますか?(原因の把握) 2.どうすれば、それが解決できるかを知っていますか?(対処方法の把握) 3.今やっている対処方法に満足感がありますか?(価値観の把握) 「簡単に言うと、この三つを把握する能力がバランスよく存在しているかどうかで、 個人のストレスコントロールを測ることができる」んだそうです。 すべての終わりの始まり ■著者:キャロル・エムシュウィラー/畔柳和代 ■国書刊行会 ■2007/5発行 この本、私はダメでした。 なので、最初の2つしか読んでいません(短編集です)、ごめんなさい。 奥深く何か訴えたいことがあるようではあるんだけれど。 単純なんで私、それくみ取る前にちょっと嫌悪感かんじちゃう。 「すべての終わりの始まり」っていうタイトルの響きは とても好きなのだけれど。 著者のエムシュウィラーさん、“唯一無二の奇想作家”だそうです。 カラフル ■著者:森絵都 ■文藝春秋 ■2007/9発行(文庫版) ※単行本は1998/7 一応、児童文学というカテゴリーらしいんですが、 大人が読んでもじゅうぶん面白いです(私、たぶん大人だと思いますから)。 というよりも号泣しちゃいましたよ、私は。 一応、コメディということで、 途中まで読んでくとオチの想像がつくんだけど、そんなの全然、問題なし! サクッと読めて、面白くて、泣けて、あったかくて、いろいろ考える。 いいお話です。 風に舞いあがるビニールシートもとてもとても良かったし、 森絵都さんの本が、もっと読んでみたくなりました。 キミがこの本を買ったワケ ■著者:指南役 ■扶桑社 ■2007/2発行 “世界で初めて「買う理由」の正体を解き明かした本”だそーです。 実はこれ、本屋で読破してしまいました(立ち読みで完読)。 それくらいに、めっちゃくちゃ読みやすい本です。 読むのに1時間かからなかった気がする。 でも、割と内容はちゃんとありますよ。 ただ、結局、買う理由を理論的には説明できない。感覚的には分かっても。 もちろん、企画書なんかではもっともらしくいろんなこと書くんだけど。 「実は何がモノを売ったかは、誰にもわからない」 (by佐藤雅彦 注:うろ覚えなので若干フレーズ違うかも。なんせ立ち読みですから) という言葉が印象的でした。 あとCMが話題になっても商品は売れない(実例付き)という話。 なんか薄ぼんやりとはきっとみんなが感じてることだと思うんだけど、 あそこまで堂々と書いてあるってとこが新鮮でした。 |